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「芸術・文化による街づくり」は秋田市に相応しいか? … 秋田公立美術工芸短大の四年制化「有識者委員会」への疑問

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2012-11-19
 秋田市の秋田公立美術工芸短大の四年制化は、現在の市長が選挙の公約に掲げたという理由で進められ、2010年9月に、秋田市の庁内検討チームが検討した結果、四年制大学化が有効な手段の一つであるとし、2011年11月から4回行われた「有識者委員会」が、就職市場での評価などで短大では限界があり、市が目指す「芸術・文化を生かした街づくり」を担う人材育成のためにも四年制化が有効だとし、2013年4月に開学すべきと提言した。この有識者委員会は、元文科省官僚、大学学長ら10人の委員で構成されていたが、公開されている資料によると、毎回7~8人の出席者で、秋田県関係以外の出席者は、計2名しかいない閉鎖的なものだった。しかも、毎回、秋田市の副市長2名や、秋田公立美術工芸短大学長や事務局長、市の担当部長、課長ら当事者である市側からの出席者、15~16人に囲まれていると言う委員会であった。これでは、中立的な議論、自由な議論、市民サイドの議論は出来ないだろう。また、有識者委員会の提言の内容は、市が当初から発表していた構想と何も変わらぬものであったと言う。「有識者委員会」において、市費投入額が増大する四年制化の是非、秋田市内の既存大学との再編によって新たな大学の可能性、魅力を引き出すといった幅広い議論がされず、四年制化を大前提にした議論に終始したことが明らかだ。
 また、秋田公立美術工芸短大の学長は、四年制化が秋田の若者に夢を与えることのようにメディアで言っていたが、短大の定員150人が、四年制化によって定員100人に減っており、しかも県内高校卒の入学者は減少することが予測される。逆に若者の夢を奪う四年制化でもあるのだ。秋田公立美術工芸短大は、「美短」と呼ばれ、地域住民、若者に親しまれていたと言う。こちらが無くなるほうが惜しいのではないか。
 ここで、疑問なのは、秋田市はいつから「芸術・文化を生かした街づくり」を目指すようになったのかと言うことだ。著者は、美術鑑賞を愛好する者の一人であるが、芸術、美術は個人の趣味の領域のものであり、多様な趣味を持つ市民がいる中で特定の分野、領域を生かした街づくりを目指すことが方向性として正しいのだろうか。また、秋田市民がそれを望んでいるのだろうか。
 著者の知る限りでは、秋田市は平成20年12月19日、秋田市議会で「はずむスポーツ都市宣言」が決議され、多くの市民がスポーツを親む「スポーツ都市」を目指していたはずである。秋田では厳しい気候条件の中、黙々と努力するスポーツ愛好者が多いように見受けられ、秋田市に向いているように思う。
 また、最近、秋田市は、高齢者にやさしい街、エイジフレンドリーシティを目指しているとの報道を目にした。これらは多くの市民の理解も得られるものと思われる。

 しかし、芸術・文化による「まちづくり」とは、現在の市長が、40ある選挙公約の一つに掲げたに過ぎないのではないか。
 市のホームページを見ると、市長公約、芸術・文化による「まちづくり」の推進にスポーツも含めているようだが、一般常識的な意味での「芸術」による街づくりに、どれだけの市民の理解が得られるのだろうか。また、秋田の将来を見据え、正しい方向性と言えるのだろうか。
 秋田では「街づくり」と絡められ、それを口実に、多額の公費が投入される公共施設が造られ、事業が進められることが多い。地域住民や県民のニーズの有無は軽視され、脇に置かれているようだ。
 世界に誇れる現県立美術館があるにも関わらず、再開発地区の街づくりを口実に進められた新県立美術館の建設や今回の秋田公立美術工芸短大の四年制化にその特徴が顕著に表れている。
 県民や市民のニーズをしっかりと調査、把握する所から行政はスタートすべきである。





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新県立美術館に移された「秋田の行事」を観た方々から、

以前より展示室が狭くなった。
「秋田の行事」が、窮屈で縮んで見える。
階上の左右から見ることが出来なくなった。
照明の照り返しがきつい。
2階から見ると目線から高すぎる。3階から眺めると壁画が低すぎる。
展示室に奥行きがなく、この壁画の迫力が全く感じられない。
以前は圧倒するほどの存在感があったが、この絵の輝きが失われた。
新しい建物の現代的な感じと秋田の行事が違和感ある。
あそこへ行きさえすれば、という大きな拠り所が失われた。

などの声が上がっています。
(2014年2月)




 「秋田の行事」は8月31日に、平野政吉と藤田嗣治が一体となり建てた現県立美術館(平野政吉美術館)から移設されました。これは、世界に誇れる貴重な文化遺産を崩壊させる、非常に愚かな行為であり、一秋田県民として、強く非難致します。

(2013年8月31日)




 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、建物を活用を検討していながら、2013年6月30日で閉館扱いとなりました。
 平野政吉と藤田嗣治が一体になり、実現させた現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、後世の人々、美術愛好家、若者達、藤田嗣治ファンのためにも残すべきです。
(2013年8月1日)




 現秋田県立美術館(平野政吉美術館)の大展示室は、「秋田の行事」のためにレオナール・フジタ(藤田嗣治)が助言したものです。
 

 ― 藤田は、「秋田の行事」を礼拝堂のような大空間で観るよう助言し、建物の上方から自然光を採り入れ、壁画に降り注ぐよう助言しました。また、壁画を床から1.8メートルの位置に上げ、両端を少しずつせり出して据え付けたのも、臨場感を狙い、藤田がこの絵に最も良い展示方法を指示したものです。藤田の理念が強く反映されている美術館、展示室は後世に伝えていくべきです。
(2013年5月15日)



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    前途厳しい秋田の美大、時代に逆行した4年制化 ― 全国に定員割れ、経営難、再編・統合などの大学多数

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    2012-11-13
     9日に設置認可になったと言う、秋田公立美術大であるが、少子化、大学乱立の中、前途は厳しく、多額の公費を投入する大学であるにも関わらず、市民に十分な説明があったのか、市民の理解が得られているのか疑問が残る。
     群馬県の学校法人「堀越学園」は、定員割れから、経営難に陥り、10月に文部科学省から解散命令を受けることが決定したが、全国に定員割れ、経営難の大学は多数ある。1990年代以降の規制緩和による安易な大学設置の影響だ。
     急激な少子化の進行によって、18歳人口は減少の一途をたどっているが、一方で、大学・学部の新増設は、1990年代以降の規制緩和による安易な大学新増設が相次いだことにより、増え続け、入学定員数は増加を続けている。そのため、2007年度の大学入試では、大学入学定員数の方が、トータルの受験者数を上回るという「逆転現象」が生じ、「大学全入」時代が到来している。
     2012年度においては、全国の四年制私立大学の45.8%が定員割れになっている現状がある。 

     「全国の四年制私立大学の45.8%が今春、定員割れになったと日本私立学校振興・共済事業団が27日発表した。昨年に比べて6.8ポイント悪化し、3年ぶりに4割台になった」(2012年8月27日、日本経済新聞)

     芸術系大学では、新潟県の長岡造形大学がここ数年定員割れになっており、2012年度においては、入学定員248人に対し、入学者は159人に止まっている。(長岡造形大HPより)そのため、公設民営(地方公共団体が大学を設立し、民間が経営)で開学したこの大学は、現在、存続をかけ、公立化が検討されている。
     国公立大学においも、独立行政法人化を契機に、生き残りをかけた再編・統合が相次ぎ、
     筑波大学と図書館情報大学が統合し、筑波大学
     東京都立大学と都立化学技術大学と都立短期大学と都立保健科学大学が統合し、首都大学東京
     東京商船大学と東京水産大学が統合し、東京海洋大学
     山梨大学と山梨医科大学が統合し、山梨大学
     福井大学と福井医科大学が統合し、福井大学
     神戸大学と神戸商船大学が統合し、神戸大学に再編されるなど多数あり、
     芸術系の国立高岡短期大学も、富山大学、富山医科薬科大学とともに2005年10月1日に統合され、国立大学法人富山大学高岡短期大学部になっている。
     県境を超え、群馬大学と埼玉大学の統合も検討されており、秋田大学と弘前大学、岩手大学の再編・統合が協議された経緯もある。
     こうした大学経営を巡る厳しい状況の中での、秋田公立美術工芸短大の4年制化は、果たして必要であったのか。十分な議論がされたのか疑問であり、前途は厳しいと言える。





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    以前より展示室が狭くなった。
    「秋田の行事」が、窮屈で縮んで見える。
    階上の左右から見ることが出来なくなった。
    照明の照り返しがきつい。
    2階から見ると目線から高すぎる。3階から眺めると壁画が低すぎる。
    展示室に奥行きがなく、この壁画の迫力が全く感じられない。
    以前は圧倒するほどの存在感があったが、この絵の輝きが失われた。
    新しい建物の現代的な感じと秋田の行事が違和感ある。
    あそこへ行きさえすれば、という大きな拠り所が失われた。

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    (2014年2月)




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    (2013年8月31日)




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     ― 藤田は、「秋田の行事」を礼拝堂のような大空間で観るよう助言し、建物の上方から自然光を採り入れ、壁画に降り注ぐよう助言しました。また、壁画を床から1.8メートルの位置に上げ、両端を少しずつせり出して据え付けたのも、臨場感を狙い、藤田がこの絵に最も良い展示方法を指示したものです。藤田の理念が強く反映されている美術館、展示室は後世に伝えていくべきです。
    (2013年5月15日)



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    秋田公立美術工芸短大の四年制化は秋田市に必要なのか

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    2012-11-08
     田中真紀子文部科学相が、2日、大学設置認可の厳格化を進めるとし、2013年度の開設を予定していた3校を不認可とすると発言したが、昨日、「新たな審査基準を設けて判断する」、今日になり「現行制度にのっとり、適切に対応する」と変わり、3校について認可する考えを示したとのことだ。
     田中大臣は、大学設置認可の厳格化方針の背景には、大学の乱立による教育の質の低下があることを挙げている。1990年以降の規制緩和により、大学設置のハードルが下がり、短大から四年制への転換が相次ぎ、自治体主導による大学が各地にでき、今年5月時点での国公立私立の四年制大学は783校で、20年前の1991年と比較し、1.5倍、実に269校も増加している。こうしたことから大学の乱立が学生の質の低下を招いていると産業界などからも批判が出ていたとのことだ。

     田中大臣の大学設置に関する一連の発言を機に、認可の見通しだと言う、秋田市の秋田公立美術工芸短大の四年制化は、秋田市、秋田市民にとって必要なのか考えてみたい。
     秋田市の秋田公立美術工芸短大の四年制化は、現在の秋田市長が選挙で公約に掲げたと言う理由で進められ、2011年2月に、市が人選した「有識者委員会」が提言書を市に提出し、2012年3月に設置認可が申請された。この「有識者委員会」は、元文部科学省官僚、五人の大学関係者(学長と学長補佐)、県内高校校長、秋田県立近代美術館館長、民間放送社長、秋田商工会議所会頭の10人で構成されていた。行政に遠慮なく、自由な議論ができる人選であったのか疑問である。また、多額の市費が投入されるのに、市民生活への影響や財政面からの議論がされたのかも疑問だ。
     また、秋田市民の間で、どれほど四年制美術大の必要性が理解されているのだろうか。1年前の地元紙によると、市議会で「『開学の時期にこだわるべきでない』『市民の理解が十分に得られていない』などと指摘」(2011年12月21日、秋田魁新報)があったという。しかし、現在、2890万円の設計料を費やし、5億2千万円もの公費で施設増築、新設の工事が進めれている。また、四年制化になった場合、単年度の人件費や維持管理費は現在より約1億5千万円増の約9億8千万円になると試算されている。10年で98億、20年で196億と言う莫大な支出である。税金の無駄使いだという市民の声も聞かれ、市財政悪化の要因になる懸念もある。
     秋田公立美術工芸短大が、秋田市民にその必要性が十分に認識されていない中で、四年制化は必要であろうか。
     全国で四年制大学が乱立した煽りで、逆に短期大学は減少していると言う。むしろ、短期大学であったほうが希少性をアピールできたのではないか。短大として質の向上に努めることが、ここ数年落ちていると言う、就職率のアップにも繋がるのではないか。
     また、美術大に社会のニーズがあるのなら、市民に負担を強いない私学への売却も検討されて然るべきである。





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