16億円の県費が投入され、路線維持されている秋田―ソウル便 ~ 運休を機に廃止すべきである。
2014-07-01
7月26日から、3カ月間の運休が決まった大韓航空の秋田―ソウル便。 読売新聞の記事によると秋田県は、2001年の路線就航以来、12年間で16億円の県費を路線維持のためにすでに投入しているということだ。「県観光振興課によると、2001年の運航開始から13年度末までに、県はソウル便維持のため、大韓航空などへの補助として約16億円を支出している」 (2014年6月26日、読売新聞)
国内の一企業に対して経営維持のために、これだけの公費が投入されれば大問題であるのに、他国のしかも、近年日本に対し友好的ではない国、韓国の一企業に、これほど多額の県費を投入するのは、納税者、県民として到底納得できないことだ。
観光客が増加した場合の経済波及効果が、いくらになるとかいう、そういうレベルの話ではない。
限られた秋田県の予算 (2014年度は6012億円、その内、約32.5%、1954億円が地方交付税。 人件費支出は約24.0%、1444億円 《2014年2月13日、秋田魁新報の記事より》 ) の中で、納税者である県民に対して使うべきことは、山ほどあるはずである。
例えば、冬場の雪害対策等には、十分過ぎる予算を取り、一人暮らしの老人が雪下し出来ない事態や、雪下し等による事故をなくす対策などに、十分に充てるべきではないのか。
少なくとも例年発生する除雪費の不足という事態は避けるべきである。
その他、土石流や土砂崩れ等の自然災害への対策費、県民の命、健康を守る医療分野への投入など、挙げたら数え切れない。
まして、秋田県は、自殺率、脳卒中・ガンなどの死亡率、高齢化率、出生率など、多くの分野で全国ワースト1位の不名誉な記録を十数年も続けている、重大な問題が山積している県である。
考えて見れば、丁度、秋田―ソウル便が就航した2001年前後から、秋田県の様々な全国ワースト1位が増え始めているが、これが単なる偶然の一致とも思えないのは一体何故なのか。
……………
県では、10月下旬のソウル便の運航再開を目指しているとの事で、知事が大韓航空に再開要請をすることも検討しているらしいが、
「県は、企業など団体旅行での利用を呼び掛ける方針。佐竹敬久知事が大韓航空本社を訪れ、再開を要請することも検討している」 (2014年6月26日、秋田魁新報)
昨年3月と今年3月に、大韓航空のソウル便が運休になっている国内の他の空港 (函館、静岡、長崎) の現状 (同社ソウル便は現在も運休中) や、旅客船沈没事故以降の韓国国内の旅行自粛傾向、日韓双方の国民が共に良好な関係でないと認識している両国関係、東日本大震災の影響による長期的な旅行客の減少などを考えれば、10月以降も、利用客の増加、搭乗率の上昇などは見込めるはずもなく、長期間の運休になる公算が大きいと見るのが妥当だろう。
これ以上の路線再開や路線維持に向けた労力や、県費の投入は、認められないはずである。
また、記事では、県会議員の 「必要だと思う県民は少ないと思う」 (2014年6月26日、読売新聞)、 「 (赤字を抱える) 秋田内陸縦貫鉄道は県民の足だが、ソウル便は違う。なくなって困る人は何人いるのか」 (2014年6月26日、読売新聞) という発言も取り上げられていたが、秋田県議会は、今まで、ソウル便への多額の県費投入に賛成してきた議員が過半数以上であり、さらに、ソウル便以外でも、県民感覚とずれている、秋田市中通の再開発事業、八幡平の事故で残った熊のための3億5千万円の施設建設などに、賛成してきた。
とても信用できない。今後の彼らの発言、動向に注視したい。
長期運休の公算が極めて大きい秋田―ソウル便を維持するための、空港着陸料の減額 (年間約2050万円) 、ターミナルビル使用料の補助 (年間約3300万円) などの優遇措置や、 ソウル便を利用した際に支給される補助金 (初回利用で一人当たり2万円、団体30万円《上限》など) 等は速かに中止すべきであり、この路線は廃止へと向かうべきである。
県はソウル便維持のため、大韓航空に対し、「管制塔や無線などの施設利用料に年間約350万円、ターミナルビル使用料に年間約3300万円を補助。このほか、空港着陸料を15分の1に減額しており、年間約2050万円を免除している」 (2014年6月12日、読売新聞)
ソウル便維持のために向けられた県費は、納税者である県民に向けられるべきであり、路線廃止は秋田県民にとって寧ろ喜ばしいことである。
また、新たな国際路線として、現在、秋田県内を訪れる観光客が最も多い台湾と秋田を結ぶ、台北との定期便の開設に向かうべきである。
<関連記事>
秋田―ソウル便3カ月運休、再開は未定 ― 補助金と優遇措置を止め、路線廃止に向かうべき。
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新県立美術館に移された「秋田の行事」を観た方々から、
以前より展示室が狭くなった。
「秋田の行事」が、窮屈で縮んで見える。
階上の左右から見ることが出来なくなった。
照明の照り返しがきつい。
2階から見ると目線から高すぎる。3階から眺めると壁画が低すぎる。
展示室に奥行きがなく、この壁画の迫力が全く感じられない。
以前は圧倒するほどの存在感があったが、この絵の輝きが失われた。
新しい建物の現代的な感じと秋田の行事が違和感ある。
あそこへ行きさえすれば、という大きな拠り所が失われた。
などの声が上がっています。
(2014年2月)
「秋田の行事」は8月31日に、平野政吉と藤田嗣治が一体となり建てた現県立美術館(平野政吉美術館)から移設されました。これは、世界に誇れる貴重な文化遺産を崩壊させる、非常に愚かな行為であり、一秋田県民として、強く非難致します。
(2013年8月31日)
現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、建物を活用を検討していながら、2013年6月30日で閉館扱いとなりました。
平野政吉と藤田嗣治が一体になり、実現させた現秋田県立美術館(平野政吉美術館)は、後世の人々、美術愛好家、若者達、藤田嗣治ファンのためにも残すべきです。
(2013年8月1日)
現秋田県立美術館(平野政吉美術館)の大展示室は、「秋田の行事」のためにレオナール・フジタ(藤田嗣治)が助言したものです。
― 藤田は、「秋田の行事」を礼拝堂のような大空間で観るよう助言し、建物の上方から自然光を採り入れ、壁画に降り注ぐよう助言しました。また、壁画を床から1.8メートルの位置に上げ、両端を少しずつせり出して据え付けたのも、臨場感を狙い、藤田がこの絵に最も良い展示方法を指示したものです。藤田の理念が強く反映されている美術館、展示室は後世に伝えていくべきです。
(2013年5月15日)
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